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ISO13485とは?当社が取得した背景と医療機器組立への取組

当社は、受託製造(EMS・ODM・OEM)を30年以上にわたり手掛けてきました。
その原点は、「藤田電機製作所のあゆみ」でもご紹介している通り、ソニー様との取引(ビデオデッキ部品、ゲーム機器部品、放送用機器など)をきっかけに、開発・部品調達・一貫生産体制を構築したことにあります。なお、ビデオデッキ部品については、当時のベータ方式に関わる製品にも携わっており(VHS vsベータ戦争という規格争いがありましたね)、時代を象徴する技術の一端を担ってきました。以来、電子機器分野において幅広い製造ニーズに対応してきました。
その中で、当社の事業領域が大きく広がる転機となったのが、2017年頃から開始した医療機器の組立です。
このきっかけは、長年お取引いただいていたお客様との関係の中で生まれました。もともと当社のパネルメーター(アナログメーター/指示電気計器)をご採用いただいていたお客様でしたが、ある機会を通じて、当社が受託製造も行っていることを知っていただきました。そこから、従来のパネルメーターのお取引に加え、お客様の医療機器製品の組立・製造まで含めたお取引へと発展しました。振り返れば、当社として自社の強みを十分に発信できていなかったという反省もありますが、いずにしても結果として、この出会いを契機に、医療機器分野への本格参入が始まりました。
そして、お取引が続くにつれ、医療機器分野においてより強固な信頼関係を築くために、お客様からISO13485の取得をご提案いただきました。
ISO13485とは?
ISO13485とは、医療機器の品質マネジメントシステム(QMS)に関する国際規格であり、医療機器の設計・製造・販売・保守に至るまで、製品の安全性と品質を継続的に確保するための仕組みを定めたものです。
医療機器は人の生命や健康に直接関わる製品であるため、一般的な工業製品以上に高い信頼性と安全性が求められます。そのため、単に「良い製品を作る」だけでなく、「常に同じ品質で安定して供給できる仕組み」を持つことが重要です。
ISO13485では、この“仕組み”に重点が置かれており、具体的には以下のような要素が求められます。
・設計から製造、出荷、保守に至るまでの一貫した品質管理
・製品ごとのトレーサビリティ(いつ・誰が・どの部品を使用して製造したかの追跡)
・不具合やリスクを未然に防ぐためのリスクマネジメント
・作業手順や記録の標準化・文書化
・法規制(各国の医療機器規制)への適合
特に医療機器分野では、「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題が起きないように管理する」ことが求められます。ISO13485はそのための体制を構築・維持するための基準であり、品質保証の“仕組みそのもの”を評価する規格といえます。また、ISO13485の取得は、医療機器分野において一定の品質レベルを満たしていることの証明となり、取引先や顧客に対する信頼性の向上にもつながります。
ISO13485取得に向けた取り組み
当社ではすでに、ISO9001およびISO14001を取得しており、品質および環境に関するマネジメントシステムを運用してきました。さらに、社内独自の品質管理の仕組みであるFQM(Fujita Quality Management)も長年にわたり機能しています。
こうした基盤があったことから、お客様からも「十分に取得可能である」との評価をいただき、ISO13485の取得に向けた取り組みを進めることとなりました。
また、審査機関であるJQAからも、ISO13485の取得は新たなビジネス機会の創出や、医療分野における信頼性向上につながるとの助言をいただき、当社にとって大きな後押しとなりました。
ISO13485とISO9001の違い
ISO9001は、あらゆる業種に適用される品質マネジメントシステムの国際規格であり、顧客満足の向上や品質の安定化を目的としています。製造業だけでなく、サービス業など幅広い分野で活用されている、いわば「品質管理の基本」となる規格です。
一方、ISO13485は医療機器に特化した規格であり、患者の安全や法規制への適合を前提とした、より厳格な品質マネジメントが求められます。単に品質を維持するだけでなく、「安全性を担保するための仕組み」が重視されている点が大きな特徴です。
特に両者の違いとして、以下の点が挙げられます。
- リスクマネジメントの徹底
ISO9001では品質改善の一環としてリスクを扱いますが、ISO13485では「製品の安全性」に直結するリスク管理が必須となり、設計・製造の各段階で継続的に評価・管理することが求められます。 - トレーサビリティ(履歴管理)の強化
使用部品や製造履歴を遡れる仕組みが厳格に求められます。万が一不具合が発生した場合でも、影響範囲を迅速に特定し、適切な対応ができる体制が必要です。 - 文書管理・記録管理の厳格化
作業手順や検査記録など、すべての工程において文書化と記録の保存が求められます。誰が対応しても同じ品質を再現できる状態を維持するための重要な要素です。 - 法規制への適合性の重視
医療機器は各国の法規制の対象となるため、ISO13485では規制要求事項との整合性が強く求められます。品質だけでなく「法的に適合していること」が重要な評価基準となります。
このように、ISO13485はISO9001をベースとしながらも、医療機器分野特有の要求事項を大幅に強化した規格です。品質管理の枠を超え、「安全性・信頼性・法規制対応」を包括的に実現するための仕組みである点が大きな違いといえます。
今後の医療機器組立への取り組み
ISO13485の取得により、当社は医療機器分野において、より高い品質と信頼性を担保できる体制を整えました。これまで培ってきた受託製造のノウハウに加え、医療機器に求められる品質基準に対応することで、より高度な製品や新たな分野への対応が可能となります。
今後も当社は、開発から部品調達、組立、品質管理までの一貫体制を強みに、お客様の多様なニーズに応えながら、医療機器分野での価値提供をさらに強化してまいります。

まとめ
ISO13485の取得は、単なる認証取得ではなく、医療機器分野における品質と安全性を確保するための体制を整えたことを意味します。
当社では、これまで培ってきた受託製造のノウハウに加え、ISO13485に基づく品質マネジメント体制を構築することで、医療機器に求められる高い信頼性と再現性を実現しています。特に、開発・部品調達・組立・品質管理までの一貫対応が可能である点は当社の大きな強みであり、複数工程を個別に管理する必要がないため、品質・コスト・納期の最適化につながります。
医療機器の組立や受託製造において、
・品質基準に対応できるパートナーを探している
・小ロットやカスタム対応が可能なメーカーを探している
・部品調達から組立まで一括で任せたい
といった課題をお持ちの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
ISO13485に準拠した品質体制と、30年以上の受託製造の実績をもとに、お客様の製品づくりをサポートいたします。


