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なぜものづくり企業がPOSレジを手掛けているのか?
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はじめに
当社は現在、POSレジ事業を「ライブレジ」というブランドで展開しています。これまでホームページやトピックスでもご紹介してきた通り、当社はアナログメーターの部品加工からスタートしたものづくり企業であり、現在もものづくりの事業が中核です。そのため、会社紹介の中でPOSレジの話をすると、「なぜ御社がPOSレジを?」「ものづくりとPOSレジにどのような関係があるのか?」と疑問に思われることが少なくありません。
まず、POSレジとは、売上や在庫を自動で記録・管理できるレジシステムのことです。近年ではタブレット端末を活用したPOSレジが普及し、自動釣銭機と組み合わせて利用されるケースも増えています。そのため、POSレジは従来の“レジ”というハード機器ではなく、売上管理・在庫管理を担うシステム(ソフトウェア)としての側面が強いものとなっています。
では、なぜハードを中心としてきた当社が、このようなPOSレジ事業を手掛けているのでしょうか。
POSレジ事業に至るまで
その背景をたどると、実はPOSレジそのものから始まったわけではありません。
2000年代には、ポイントカードや会員証に情報を印字する「カードプリンター」が広く利用されていました。磁気カードを挿入するとポイント数などが印字される機器で、多くの店舗で導入されていました。
当社がこのカードプリンターの組立および印字業務に携わるようになったことが、本事業の出発点です。これは当社にとって、まさにハード領域の仕事でした。しかし、カードプリンタ単体では付加価値が出しづらいという課題から、ソフトウェアと組み合わせた提供へと発展したことに始まります。その中で社内のシステム人材を活用し、まずは顧客管理・分析・販促機能を備えたポイントカードシステムを開発しました。
その後、現場ニーズを踏まえてレジ機能を組み込んだPCレジシステムへと進化し、代理店との連携により導入実績を着実に積み重ねていきました。さらに、顧客分析機能への評価を背景に、機能を特化したポイントカードシステムとして展開し、多くのお客様にご利用いただくまでに成長しました。
こうした実績とノウハウをベースに、再びレジ機能を強化する形で開発されたのが「ライブレジ」です。顧客管理・分析・販促といったこれまで培ってきた機能を活かしながら、現在のPOSレジとしての形へと発展しています。
創発戦略という考え方
このようなプロセスは、経営学者ヘンリー・ミンツバーグが提唱した「創発戦略」の考え方に当てはまるのではないかと考えます。
創発戦略とは、あらかじめ計画された戦略ではなく、現場での試行錯誤や経験の積み重ねの中から、結果として形づくられていく戦略のことです。
私自身、過去戦略に関する書籍を読んだ際、そこに描かれている成功事例の多くがあまりにも整然としており、「本当にここまで計画通り綺麗に進むのだろうか」と感じたことがありました。
しかし、創発戦略という考え方を知ったとき、実際の事業はむしろこちらに近いのではないかと感じ、非常に腑に落ちた記憶があります。
当社のPOSレジ事業もまた、こうした創発的なプロセスの中から生まれたものだと考えています。
当社POSレジ「ライブレジ」について
現在、POSレジ市場は多くの企業が参入する競争の激しい分野であり、大手企業や上場企業も多数存在します。その中で、中小企業である当社が差別化を図ることは容易ではありませんでした。
当初は、顧客管理機能を強みとして打ち出していましたが、その価値が十分に伝わりきっていないという課題がありました。
この顧客管理機能は、POSレジに蓄積された顧客情報をもとに、来店頻度や購買履歴などの条件でターゲットを抽出し、各種施策の情報発信につなげるものです。いわゆる販促・リピーター獲得に活用できる機能であり、当社としては大きな強みであると考えていました。
そのような中、ライブレジのホームページリニューアルにあたり、改めて実際にご利用いただいているお客様に対し、「なぜライブレジを選んでいただいたのか」というアンケートを実施しました。
その結果、「顧客管理機能」よりも「買い切り型POSレジであること」に、多くのお客様が大きな価値を感じていることが分かりました。
現在のPOSレジの多くは、クラウド型のサブスクリプション(サブスク)モデルであり、毎月の利用料が発生します。一方で、ライブレジは初期費用のみで利用できる買い切り型(オンプレミス型)です。初期投資は必要となるものの、長期間利用するほどトータルコストを抑えられるという特長があります。
こうした特長は、特にコスト意識の高い事業者様や、長く安定して使い続けたいお客様からご支持をいただいており、導入の広がりにつながっています。
この気づきをきっかけに、当社は「買い切り型POSレジ」という価値を前面に打ち出す方針へと転換しました。これは、製品起点ではなく顧客起点で価値を捉える「マーケットイン」の考え方そのものであり、重要な転換点となりました。

ラジオCMについて
現在、ライブレジは店舗や病院・クリニック、アミューズメント施設など、買い切り型POSレジを求めるお客様を中心にご利用いただいています。※お客様の声についてはこちら
また、「シンプルで使いやすい」「ご高齢の方でも扱いやすい」といった評価もいただいており、機能を過度に複雑化させない設計が現場に適した形になっていると感じています。加えて、こうした使いやすさが評価され、既存のお客様からのご紹介やリピート導入につながるケースも増えてきています。
こうした中で、より多くの方にライブレジを知っていただくための取り組みとして、ニッポン放送の朝の交通情報の時間帯でラジオCMを放送しています。
この時間帯は、通勤中のドライバーやビジネスパーソンに広くリーチできるため、店舗運営者や経営者層にも自然に情報を届けることができます。また、ラジオは継続的な接触によって信頼感を醸成しやすい媒体であり、単なる広告ではなく「安心して使えるサービス」という印象形成にも寄与していると感じています。
実際に、「ラジオで聞いた」というきっかけでお問い合わせをいただくケースもあり、認知向上だけでなく、信頼の裏付けとしても一定の効果を実感しています。
現在は新しいバージョンのCM制作も進めており、今後さらに分かりやすく魅力をお伝えしていく予定です。
おわりに
当社のPOSレジ事業は、綿密に計画された新規事業というよりも、既存事業の延長線上での試行錯誤の中から生まれたものです。その過程においては、創発戦略やマーケットインといった考え方が、結果として重要な役割を果たしていました。
当社の強みは、お客様の声や現場の変化に向き合いながら、柔軟に事業を進化させていく点にあると考えています。
POSレジ事業においても、この姿勢を大切にしながら、今後も価値あるサービスの提供に取り組んでまいります。


