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プレス加工から広がるものづくり ー神奈川発の精密加工技術ー

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はじめに
当社のものづくりは、アナログメーター(電気計測器)部品の製造から始まりました。神奈川県・湘南エリア(平塚市・二宮町をはじめとする西湘地域)に拠点を構え、地域に根差したものづくり企業として歩んできました。プレス加工は創業初期から社内で行ってきた重要な工程の一つであり、現在に至るまで当社の技術基盤を支え続けています。
当時のアナログメーター部品は比較的小型かつ薄く、高精度が求められるものであり、15トン~25トンの小型プレス機を中心に加工を行っていました。限られたスペースの中で高い寸法精度と安定した品質を実現する必要があったことから、当社では創業当初より「精密なプレス加工」に強みを持つ企業として技術を磨いてきました。
しかしながら、その後、社会はアナログからデジタルへと大きく変化し、アナログメーターの需要構造も変わっていきました。かつては当社のプレス加工のほぼ100%がメーター部品向けでしたが、現在では様々な業界・用途(半導体製造装置、基板実装機、防衛)のお客様からご依頼をいただき、外部向けの加工が主軸となっています。こうした環境変化の中でも、当社は創業以来培ってきた精密加工技術をベースに、「精密なプレス加工が求められる領域」へと展開を広げてきました。


プレス加工とは
プレス加工とは、金属の板材に対して金型を用い、プレス機で圧力をかけることで、切断・曲げ・絞りといった加工を行い、所定の形状に仕上げる加工方法です。当社は比較的小型の部品を中心に扱っていますが、自動車部品などの分野では、非常に大きな金型とプレス機を使用して加工が行われるケースもあります。
一度金型を製作すれば、同一形状の製品を安定して大量に生産できる点が大きな特長であり、量産部品においては非常に効率の高い加工方法です。一方で、製品の品質や精度は金型の出来に大きく依存するため、単に加工するだけでなく、「いかに精度を作り込むか」が重要となります。
また、プレス加工では使用する材料の特性も品質を大きく左右します。鉄・ステンレス・銅・真鍮など、材質によって加工性や仕上がりは大きく異なり、板厚や硬さ、ばね性などを踏まえた条件設定が不可欠です。例えば、同じ形状であっても材料が変わるだけで加工条件の最適解は変わります。当社ではこうした材料特性を踏まえた加工条件の最適化を行うことで、安定した品質を実現しています。


単発金型と順送金型
プレス加工で使用する金型は、大きく「単発金型」と「順送金型」に分かれます。
単発金型は、一工程ごとに加工を行う比較的シンプルな構造の金型で、初期費用を抑えやすく、少量生産や形状が比較的単純な部品に適しています。ただし、工程ごとに加工を繰り返す必要があるため生産効率はやや低く、製品単価は高くなる傾向があります。
一方、順送金型は複数の加工工程を一つの金型内に組み込み、材料を送りながら連続的に加工を行う方式です。打ち抜き、曲げ、成形などの工程を順番に進めることで、複雑な形状の部品でも一工程で完成させることが可能となります。順送金型は構造が複雑で高度な設計力が求められますが、その分、生産効率が非常に高く、量産時のコストを大きく抑えることができます。
重要なのは、どちらが優れているかではなく、「どの製品にどの加工方法が適しているか」を見極めることです。当社では製品形状やロット数量、求められる精度を踏まえ、最適な加工方法をご提案しています。


精度を支える設計力
プレス加工は一見するとシンプルな加工に見えますが、実際には非常に繊細な技術が求められます。金型と材料のわずかな隙間(パンチとダイの隙間)の設定や加工順序の組み立て、材料の反りやスプリングバックを考慮した形状設計など、様々な要素を総合的にコントロールする必要があります。
例えば、わずかなクリアランスの違いが仕上がりの精度やバリの発生に大きく影響することもあり、経験に基づいた調整が不可欠です。当社では、金型設計から加工条件の最適化、仕上げ段階での微調整までを一体で管理することで、高精度かつ安定した品質のプレス加工を実現しています。


当社の強み順送加工と一括加工技術
当社は、アナログメーター部品の量産を長年手がけてきた背景から、順送金型による加工を得意としています。現在は多品種少量の案件も増え、単発金型の比率も高まっていますが、順送加工で培った工程設計力と精度管理技術は、現在でも当社の大きな強みとなっています。
特に評価いただいている点の一つが、本来であれば切削加工で対応するような複雑形状の部品を、順送金型によって一括加工できる点です。例えば、複数工程を要する形状であっても、工程設計を工夫することで一連の流れの中で加工を完結させることが可能となり、量産時のコスト低減と品質の安定化を同時に実現しています。


後工程まで見据えたものづくり
プレス加工は単独の工程ではなく、その後のめっき(表面処理)や組立などの工程と密接に関わっています。神奈川県内の湘南エリアに複数の拠点を有する当社グループの強みを活かし、各工程が連携した一貫したものづくりを実現しています。
めっきの乗りやすさや組立時の作業性なども考慮した設計が求められます。当社では、プレス加工単体の最適化にとどまらず、後工程まで見据えたトータルでのものづくりを重視しています。同一敷地内の隣接工場にてめっき加工を行っているため、プレス加工後のめっき(表面処理)まで一貫して対応し、仕上げまで含めた状態での納品が可能です。これにより、工程間のリードタイム短縮や品質の安定化、管理負担の軽減といったメリットをお客様に提供しています。
さらに、社内のめっき(表面処理)や組立工程、協力会社との連携を通じて、最終製品としての品質と生産性を高める提案を行っています。


まとめ
当社のプレス加工は、神奈川県湘南エリアに根差したものづくり企業として培ってきたアナログメーター部品の精密加工技術を基盤に、材料特性の理解、金型設計力、後工程を見据えた提案力を組み合わせることで、高品質かつ高付加価値なものづくりを実現しています。
単発から順送まで幅広い加工に対応し、お客様の製品仕様や生産条件に応じた最適な加工方法をご提案できる点が、当社の大きな特長です。
今後もこれまで培ってきた技術とノウハウを活かしながら、より高度で価値の高いものづくりに取り組んでまいります。

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