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OEM・ODM・EMSとファブレス-ものづくりのビジネスモデル

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はじめに
皆さんは「OEM」「ODM」「EMS」「ファブレス」といった言葉をご存じでしょうか。
現在では製造業で広く知られているビジネスモデルですが、筆者自身、社会人になった当初はこうした考え方を全く知りませんでした。新卒で入社した会社は大手電機メーカーで、全国に大規模な自社工場を持つ企業でした。そのため当時の筆者は、「メーカーとは、自社製品を自社工場で製造し、販売するもの」という固定観念を持っていました。しかし、その後の転職をきっかけに、製造業に対する筆者の考え方は大きく変わることになります。


初めて知った「ファブレス」という考え方
転職先で初めて耳にした言葉が「ファブレス」でした。正直なところ、「ファブレスって何だろう?」というのが最初の印象です。
話を聞いてみると、ファブレス企業とは、自社で工場を持たず、企画・開発・販売などに経営資源を集中し、製造を外部企業へ委託するビジネスモデルのことでした。
そして、そうした企業のものづくりを支える存在として、OEMODMEMSといったさまざまな形態の受託製造企業があります。
代表的な企業としてよく知られているのが、台湾の鴻海精密工業(Foxconn)です。Appleをはじめ、世界中の企業から電子機器の製造を受託していることで知られています。また、台湾にはFoxconn以外にも世界的な受託製造企業が数多く存在します。近年では半導体の受託製造(ファウンドリー)を手掛けるTSMCが有名ですが、台湾は以前から受託製造を大きな強みとして発展してきました。
当時の私は、「工場を持たなくてもメーカーになれるのか。」ということに大きな衝撃を受けました。それまで私の中では、「メーカー=工場を持つ会社」という考えが当たり前だったからです。さらに、「世界中の家電製品や電子機器を、実は台湾をはじめとする多くの受託製造企業が支えている」ということにも驚きました。
工場への設備投資や人員確保には、多額のコストがかかります。それらを自社で抱えずに事業を展開できるのであれば、新規事業や新製品にも挑戦しやすく、非常に合理的なビジネスモデルだと感じたことを今でも覚えています。当時は単純に、「負担の大きい工場なんて持たない方が、経営的には有利なのではないか」と考えた記憶もあります。もちろん、実際はそんなに単純な話ではないのですが……。


実際に仕事をして分かったメリット
転職先では、台湾や中国のODMメーカーと協力しながら製品を企画し、量産まで進める仕事や海外営業に携わりました。
現地の工場へも何度も足を運びましたが、そこにあったのは、筆者が漠然と想像していた「海外工場」のイメージとは全く異なるものでした。大規模な工場に最新の設備が並び、多くの技術者が働いている。品質管理の仕組みもしっかりと構築されている。実際にその現場を見ることで、「製造を外部へ委託する」ということに対するイメージが大きく変わりました。
そして仕事として経験してみると、このビジネスモデルにはさまざまなメリットがあることが分かりました。
例えば、
・初期投資を抑えながら新製品を市場へ投入できる
・自社で製造設備を持たなくても事業を拡大できる
・製造を専門企業へ任せ、自社は企画・開発・販売・サポートなどに集中できる
といった点です。
まさに、バリューチェーンの中で自社が強みを持つ領域に、経営資源を集中できる仕組みです。
「なるほど、こういう考え方があるのか。」筆者にとって、製造業に対する見方が大きく変わった経験でした。

※尚、OEMODMEMSの違いについては、以前のコラムで詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。


良いことばかりではないことも学んだ
一方で、実際に仕事をしてみると、製造を外部へ委託することの難しさも見えてきました。
OEMODMEMS企業は重要なビジネスパートナーですが、自社工場とは異なり、別の企業です。
そのため、
・急な増産・減産への対応
・生産キャパシティの確保や調整
・製品や技術の差別化
・長期的な信頼関係の構築
など、外部委託だからこそ考えなければならない課題があります。
私が担当していた製品でも、ODMメーカーと協業して製品を市場へ投入した後、競合他社からよく似た製品が発売され、「えっ、この製品、うちの製品にそっくりだ……」と驚いたことがありました。もちろんNDA(秘密保持契約)は締結していましたが、ODMでは、受託企業が保有する技術や共通のプラットフォームをベースに、複数の顧客向けに製品を展開するケースもあります。そのため、自社独自の仕様やノウハウをどこまで守り、どこで差別化するのかという点も、製造を委託する側にとって重要なテーマだと学びました。
当時は悔しい思いもしました。しかし一方で、仕事を続ける中で、「継続的に注文し、信頼関係を築いているお客様ほど、大切にされる。」ということも実感しました。
製造委託は、単なる「発注先と受注先」の関係ではありません。品質、コスト、納期はもちろんですが、問題が起きたときに一緒に解決できるか、将来の計画を共有できるか、互いの事情を理解して長く付き合えるか。そうした長期的なパートナーシップが非常に重要なのだと学びました。


今度はEMSを提供する立場へ
現在、筆者は藤田電機でEMS事業に携わっています。かつては製造を委託する側でしたが、今は製造を請け負う側になりました。立場は変わりましたが、当時経験したことは、現在の仕事にも非常に役立っています。
お客様が何を求めているのか。どこに不安を感じるのか。そして、製造委託先にどのような対応を期待しているのか。
それらを委託する側として実際に経験してきたことは、現在の営業活動において大きな財産になっています。
一方、受託する側になったことで、

「なぜ当時、ODMメーカーはこのような判断をしたのか。」
「なぜ急な納期調整が難しかったのか。」
「なぜこちらの要望にすぐ応えられないことがあったのか。」

といったことも、以前より深く理解できるようになりました。
委託する側と受託する側。その両方を経験したことで、それぞれの事情や考え方を、以前より客観的に見ることができるようになったと感じています。


製造委託で大切なのは「誰と組むか」
筆者は今でも、OEMODMEMS・ファブレスといったビジネスモデルは、非常に合理的な考え方だと思っています。すべてを自社で抱えるのではなく、自社の強みに経営資源を集中し、それ以外の領域では専門企業の力を活用する。変化の速い時代において、これは企業が新しいものづくりに挑戦するための有効な選択肢の一つだと思います。
ただし、実際に委託する側と受託する側の双方を経験した今、もう一つ強く感じることがあります。
それは、「どこに委託するか」だけでなく、「誰と組むか」が重要だということです。
製造委託では、図面や仕様書だけですべてが決まるわけではありません。量産を始めれば、仕様変更や納期調整、品質上の課題など、さまざまなことが起こります。そんなとき、単に「できる・できない」で終わるのではなく、「では、どうすればできるのか」を一緒に考えられる関係であることが、長い目で見れば非常に大切だと思います。

「ものづくりについて相談できる企業」へ
現在、当社でもEMS事業を展開しています。当社は中小企業であるからこそ、お客様との距離が近く、さまざまなご要望に柔軟に対応できることが強みです。
また、金型設計/部品加工表面処理組立までを一気通貫で対応できる体制を備えており、一つの会社の中で幅広いものづくりに対応できることも当社の特徴です。
筆者自身、委託する側と受託する側の両方を経験してきたからこそ、お客様が製造委託のどこに期待し、どこに悩みや不安を感じるのかを、双方の立場から考えることができます。
だからこそ当社は、単に製造を請け負う企業ではなく、「ものづくりについて相談できる企業」を目指しています。
製造委託をご検討されている方はもちろん、

「まだ図面までできていない」
「どのような方法で製品化すればよいか分からない」
「今の製造方法や委託先を見直したい」

といった構想・検討段階からでも、お気軽にご相談ください
これまで委託する側・受託する側の双方を経験してきた視点も活かしながら、お客様にとって最適なものづくりの形を一緒に考え、「ものづくりの相談ができる企業」として、お客様の製品づくりを支えていきたいと考えています。

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